2023年:回顧と展望

コロナ禍四年目。5月以降は検温機を見かけなくなり、消毒液の設置もじわじわと減り、猛暑でマスクを外すようになった。渋谷や新宿は竹下通りや六本木のように観光客で溢れかえり、休日に都心へ足が向かわなくなった一年となった。 2023年は1月に移籍が決まり…

東海大学の思い出

2023年3月末で東海大学を退職しました。2010年4月着任なので、13年間お世話になりました。着任当時は34歳で、気がつけば白髪交じりの47歳です。 文化社会学部(着任時は文学部)広報メディア学科ではメディア論や社会学に関する講義科目を担当しました。また…

2022年:回顧と展望

コロナ禍三年目。ワクチンの三回目を2月末、四回目を10月末に接種。感染者数が少し落ち着いた4月と5月はライブへ行き、6月は対面のメディア学会で研究仲間と再会。長らく控えていた会食を再開したのは8月下旬で、11月初旬の日本社会学会の頃には締まりのない…

2021年:回顧と展望

コロナ禍二年目。オンライン授業に慣れて少しは楽になるかと思ったが、昨年とは質的に異なる疲れを感じた一年だった。四月からの緊急事態宣言下では飲食店のラストオーダーに合わせて移動する生活が長く続き(研究室を18時に出ないと間に合わない…)、また…

佐藤可士和展について

緊急事態宣言の発出に伴い、国立新美術館「佐藤可士和展」が予定よりも早く終了。展覧会については、五十嵐太郎さんによる展覧会評がポイントを抑えている(https://artscape.jp/report/review/10168018_1735.html)。ここで注目したいのは「セルフ・プロデ…

ワークショップ時代の統治と社会記述:現代史の社会学的記述

関東社会学会研究委員(テーマB)より、2021年3月21日(日)の研究例会の告知です。テーマ:「ワークショップ時代の統治と社会記述:現代史の社会学的記述」 日時: 2021年3月21日(日) 14:00~17:00 場所:オンライン開催(ZOOM) 報告者: 林凌(東京大学…

2020年:回顧と展望

アラフィフ突入。2月末からロンドンへ行く予定だったが、前日に本務校から渡航禁止指示。ここからは急転直下の展開だった。オンライン授業への対応に追われた4月と5月の記憶はあまりなく、読書時間を確保できるようになったのが6月以降。外出は週に一回のペ…

2019年:回顧と展望

本務校も10年目。学内外の仕事も変わり始めた一年だった。 昨年出版した『現代文化への社会学』には、木島由晶さんからありがたい書評をいただいた(『図書新聞』第3392号、2019年3月23日)。「邪道書店」という言葉選びはかなり悩んだが、結果的には反応が…

2018年:回顧と展望

『オリンピック・デザイン・マーケティング』(河出書房新社)から一年。書評や著者インタビューが出て(日本経済新聞、毎日新聞、図書新聞、東京人)、全国学校図書館協議会選定図書にも選ばれ、2018年は恵まれた年だった。 関連イベントでは、河尻亨一さん…

2017年:回顧と展望

本務校も八年目。すっかり中年の顔になりましたが(涙)、今年は何よりもエンブレム本を刊行できたのが嬉しかったです。脱稿したのは三月中旬で、四月から六月に下読みと加筆修正を行い、八月から一〇月はゲラの校正、そして一一月と一二月に販促イベント。…

オリンピック・デザイン・マーケティング

このページは、加島卓『オリンピック・デザイン・マーケティング:エンブレム問題からオープンデザインヘ』(河出書房新社、2017年、https://www.amazon.co.jp/dp/4309248357/)を紹介するものです。ここでは本に関する情報(まえがき、目次、正誤表、書評、…

KoSACの書評会

KoSAC(Kokubunji Society for Arts and Culture、通称コサック)を一緒にやってきた東京経済大学の光岡寿郎さんの博士論文が刊行され、その書評会を行うことになりました。 - 【KoSAC共催】光岡寿郎『変貌するミュージアムコミュニケーション:来館者と展示…

2016年:回顧と展望

四十代になって一年目。外出を極力控え、ひたすらエンブレム本をを書いている一年だった。 ・「誰もが広告を語る社会:天野祐吉と初期『広告批評』の居場所」、齋藤美奈子+成田龍一(編著)『1980年代』河出ブックス、2016年、pp.290-304、http://www.amazo…

東京五輪2020の新エンブレムについて

二〇一五年九月に取り下げ・再募集された東京五輪2020のエンブレムが決まった(https://tokyo2020.jp/jp/games/emblem/)。模倣を疑われ、原作者の問題や審査委員会の不正行為も明らかになった前回の反省を踏まえ、今回は市民参加と審査の透明性を重視して選…

エンブレムの最終候補4作品について

2015年9月に撤回され、再募集することになった東京五輪2020のエンブレムは、エンブレム委員会による審査で4点に絞られ(応募総数:14,599→形式チェック:10,666→一次審査:311→二次審査:64→三次審査:4)、商標に関する調査と手続きが完了し、最終候補の4…

2015年:回顧と展望

30代最後の一年は本当にいろいろあったのだが、アート関係、書店イベント関係、エンブレム問題関係、研究関係の四つにまとめられるかな。 ・「アート×キャリア×ネットワーキング Vol.3」、KoSAC(2015年1月22日、東京経済大学)、http://d.hatena.ne.jp/ox…

旧エンブレムの調査報告書とクリエイティブ・ディレクター

2015年12月18日、「旧エンブレム選考過程に関する調査報告書」が発表された。「旧エンブレム策定過程の検証報告書」(2015年9月28日)で8名のデザイナーに参加要請文書を事前に送付していたこと及び、入選者3名はこの8名に含まれていたことが明らかになり、…

エンブレム問題における広告代理業とグラフィックデザイナー

旧エンブレム問題をめぐり、組織委員会は第三者からなる有識者会議を発足させ、調査を行うと発表した。2015年10月20日の時点では『日刊スポーツ』のみなのだが、以下のように報じられている。 「アートディレクター佐野研二郎氏(43)がデザインし、盗作疑…

エンブレム問題と組織委員会

2015年10月2日、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は槙英俊・マーケティング局長と高崎卓馬・企画財務局クリエイティブディレクターの退任を発表した。組織委員会によれば、「旧エンブレムに関する問題の影響で、適正かつ円滑な業務遂行が困難であ…

旧エンブレム策定過程の検証報告書について

2015年9月28日、東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会は「エンブレム委員会」の設置を発表する前に、森喜朗会長がエンブレム問題について「国民のみなさまにご心配をかけたことをおわびしたい」と謝罪した。森会長によれば、「エンブレムのコンセプト…

五輪エンブレム委員会とコンセプト

2015年9月16日に発足した「東京2020エンブレム選考に向けた準備会」は、9月18日、21日、24日の三回の会合を経て、9月28日に組織委員会の理事会を経て「エンブレム委員会」を設置することになった。組織委員会によれば、「準備会では当初の目的としていた基本…

五輪エンブレムの準備会について

2015年9月1日に取り下げられた東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムは、組織委員会に「東京2020エンブレム委員会(仮称)を設置するための準備会」を設置し、「新たなエンブレム選定のための東京2020エンブレム委員会(仮称)のメンバー選定、旧エ…

エンブレム問題への見解のまとめ

2015年8月28日に東京オリンピック・パラリンピック組織委員会によってエンブレムの選考過程の説明があり、9月1日にはエンブレムの使用中止に関する記者会見があった。28日の説明は審査委員の代表である永井一正氏が「審査の過程も公表したほうがいい」(『朝…

アートディレクターと佐野研二郎

2015年8月14日、サントリービールの景品をデザインしていた佐野研二郎(アートディレクター、多摩美術大学教授)が謝罪の声明をホームページで出した(http://www.mr-design.jp/)。8月12日までに「ネット上などにおいて著作権に関する問題があるのではない…

デザインは言葉である:東京五輪エンブレムと佐野研二郎

2015年8月5日、東京オリンピック・パラリンピックの「エンブレム」を制作した佐野研二郎(アートディレクター、多摩美術大学教授)と組織委員会(マーケティング担当)による記者会見が行われた。2015年7月24日に発表してから約一週間後にベルギーのデザイナ…

グラフィックデザインと模倣の歴史的な関係:亀倉雄策と佐野研二郎

2015年7月24日に2020年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックの「エンブレム」が発表され、その約一週間後にベルギーのデザイナーが制作した劇場「Theatre de Liege」のロゴマークと「酷似」していることが話題となった。前者を制作したのはは佐野研二…

KoSAC「日本におけるソーシャリー・エンゲイジド・アートの行方」

第13回KoSAC「日本におけるソーシャリー・エンゲイジド・アートの行方」 今年度2回目のKoSAC(Kokubunji Society for Arts and Culture、通称コサック)のお知らせです。今回は、ロンドン芸術大学トランスナショナル・アート研究所(以降TrAIN)博士研究員の…

「町田×本屋×大学」、始めます。

「町田×本屋×大学」 第1回「時間消費型の新刊書店」のお知らせ 2015年5月より、「町田×本屋×大学」というイベントを始めます。これは町田マルイ6階のブックカフェ「solid & liquid MACHIDA」にて、町田近辺の大学をネットワークしながら地域住民や通勤買物…

KoSAC『発表会文化論』の発表会

第12回KoSAC『発表会文化論』の発表会 2015年度初めてのKoSACのお知らせです。今回は、KoSACの共同運営者の一人である東京経済大学の光岡が寄稿した『発表会文化論―アマチュアの表現活動を問う』(青弓社、2015年)の書評会をトランスアジアポピュラー音楽研…

KoSAC「卒論修論フォーラム Vol.2」

第11回KoSAC「卒論修論フォーラム Vol.2」のお知らせ 「KoSAC(Kokubunji Society for Arts and Culture、通称コサック)」では、大学の街でもある「国分寺」を拠点に「社会」「芸術」「文化」などをテーマにしながら、毎回ゲストをお呼びしてお話を伺う機会…