2009-01-01から1年間の記事一覧

高校における専門教育と教養科目

ご無沙汰です、元気にしています。「高校でも教えているようだが、一体何を?」と聞かれることが多くなったので、簡単に記しておきます。 勤務地の一つである「埼玉県立芸術総合高校」(http://www.geiso-h.spec.ed.jp/index.html)は、2000年4月に開設され…

第7回竹尾賞

2008年5月に左右社より刊行した拙稿「デザインを語ることは不可能なのか」(『文字のデザイン、書体のフシギ』所収)が、第7回竹尾賞(デザイン評論部門)を受賞しました。 竹尾は見本帖という紙のショールームで知られた専門商社で、竹尾賞はヴィジュアル…

〈伝達〉のいかがわしさ

それなりに知られたコマーシャルクリエイターのお話を聞く機会があった。そこで改めて知ったのは、次の二つに聴衆の関心は集中するということである。 一つ目は、「なぜ、○○を起用したのか?」や「どうして、こういう展開なのか」といった、コマーシャルにお…

「どういうわけか」許せない…

友人の結婚式で、随分と丁寧に作られたパワーポイントを見て、関心したことがある。なんというか、パワーポイント的に話を進めていく身体がしっかり出来ていて、話の内容ではなく、そのようにして話していること自体が、もう一つの内容になっているのである…

一人暮らしのアーカイブ化

都内へ行く時は「急行」が当たり前だった私にとって、所謂「上京」の経験はない。とはいえ高校卒業までは、「東京=山手線の内側、譲っても23区内」だと悪友に吹き込まれていたので、「03」という市外局番の省略が自明ではなく、「お前んちに電話すんの、め…

高校生と大学生の差異

たまに高校へ行くと、学校的日常にぐっと吸い寄せられる。バス停から校門まで小走りする生徒がいて、校舎に入れば上履きに履き替える。どこかそっけない事務室と靜かな校長室を横目に、手描きのポスターが貼られた廊下を足早に抜けると、ざわざわとした職員…

展示物としての論文

18歳の頃、「えっ?シェイクスピアス?」とマジメに聞き返した友人がいて、当時所属していた大学の社会的な位置を改めて知ったことがある。だから7年前に、「ドストエフスキーって誰なんですか?」(大学院生)→「私はついにその日が本当にやってきたことを…