2020年:回顧と展望

 アラフィフ突入。2月末からロンドンへ行く予定だったが、前日に本務校から渡航禁止指示。ここからは急転直下の展開だった。オンライン授業への対応に追われた4月と5月の記憶はあまりなく、読書時間を確保できるようになったのが6月以降。外出は週に一回のペースとなり、今年一番の遠出は本務校となった。
 対面授業を求める声には悩まされた。中央と早稲田と本務校の講義科目はすべてオンデマンド型配信授業、武蔵美は10月中旬まで対面(ハイブリッド)授業、本務校ゼミでの対面授業は10月末の一回のみ。関東と関西の違い、都心と郊外の違い、自宅生と下宿生の違いなど、いろいろ考えさせられた。
 お金の使い方も変わった。オンライン授業が始まる一週間前にノートパソコンが故障し、緊急事態宣言下ですぐに買い換えることもできなかった。ADSL回線から光回線に変更し、iPhoneも買い換え、在宅勤務による腰痛対策でこたつ付きのテーブルと椅子を導入。ネット通販で室内着を次々購入するようになり、地元商店街を応援するプレミアム付き商品券で書籍を買うようになった。
 今年公開された業績は、論文2つと書評1つ。『年報社会学論集』の原稿は英訳したので、いずれ公開するつもり。

・(書評)「『野中モモの「ZINE」小さなわたしのメディアを作る』」『HITE-Media』、2020年6月、http://stg.hite-media.jp/journal/218/
・「1950年代の生真面目な広告批評――嫌われ者である広告をなんとかして機能させようとした先人たちの生真面目さに学ぶ」『図書新聞』(第3460号)、武久出版、2020年8月15日
・「2020年東京大会のエンブレム問題と社会学的記述:デザインの「作り方」と「使い方」に注目して」『年報社会学論集』(第33号)関東社会学会、2020年7月、pp.14-23
・「「観察者」としての戸田ツトム:デザインはいかにしてメディア論の問題となるのか」『ユリイカ』(2021年1月臨時増刊号)青土社、pp.255-267、http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3509

 理事(研究委員)を務める関東社会学会は例会と大会を延期して開催。Zoomでいろいろな研究会に参加できるようになったのは新鮮だった。

・(司会)「ワークショップ時代の統治と社会記述」関東社会学会研究例会、2020年8月22日、オンライン、http://kantohsociologicalsociety.jp/meeting/information.html#section_2
・(司会)「ワークショップ時代の統治と社会記述―まちづくり・ワークショップ・専門家―」第68回関東社会学会大会テーマ部会B、2020年12月13日、オンライン、http://kantohsociologicalsociety.jp/congress/68/points_themeB.html

 さて来年は、国立新美術館での佐藤可士和展の図録原稿(4万字)と大阪・関西万博のロゴマークについて紀要論文が春までに出る予定。『デザイン史の名著(仮)』の執筆が止まっていたので、こちらは来年に書き上げたい。余裕があれば、個別論文をまとめた論集も。すっかり中年になってしまいましたが、まずは健康第一でやっていきたい。

 本年もお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。