2023年:回顧と展望

 コロナ禍四年目。5月以降は検温機を見かけなくなり、消毒液の設置もじわじわと減り、猛暑でマスクを外すようになった。渋谷や新宿は竹下通りや六本木のように観光客で溢れかえり、休日に都心へ足が向かわなくなった一年となった。
 2023年は1月に移籍が決まり、4月からの新しい職場は片道100km(神奈川→東京→埼玉→千葉→茨城)の通勤に。それでも帰りにトーキョーに寄れるのは嬉しい。引っ越すつもりはなく、トーキョーの西側への愛が強まった一年。インフレのせいか、1500円以下で食事をするのが難しくなった。北千住はピンとこないが、下北沢まで戻るのは遠い。いろいろ試した結果、根津駅や東京駅あたりで落ち着いた。
 今年の業績は以下の通り。

(1)学会や研究会での報告
・「柏木博と日本の社会学:デザイン史、広告史、広告都市論」社会解釈学研究会、2023年2月11日
・「計画的陳腐化とデジタル・メディアのデザイン」日本メディア学会2023年春季大会、2023年6月25日、奈良県立大学
・「コメント:林凌『〈消費者〉の誕生:近代日本における消費者主権の系譜と新自由主義以文社、2023年」歴史社会学研究互助会、2023年8月11日、東京大学
(2)論文や書籍など
・「コミュニケーションシステム論とメディア研究:書評 佐藤俊樹著『メディアと社会の連環——ルーマンの経験的システム論から』」『神奈川大学評論』(第103号)、神奈川大学広報委員会、2023年7月、pp.168-169
・「書店:邪道書店の平成史」、高野光平+加島卓+飯田豊(編著)『[新版]現代文化への社会学:90年代と「いま」を比較する』北樹出版、2023年12月、pp.144-154、https://www.amazon.co.jp/dp/4779307228/
・「外食:セルフサービスの時間と空間」、高野光平+加島卓+飯田豊(編著)『[新版]現代文化への社会学:90年代と「いま」を比較する』北樹出版、2023年12月、pp.169-178、https://www.amazon.co.jp/dp/4779307228/
・「デザイン批評と日本の社会学——柏木博を中心に」、北田暁大+東園子(編)『岩波講座 社会学 12 文化・メディア』岩波書店、2023年12月、pp.49-72、https://www.amazon.co.jp/dp/B0CN2P8RQG/
(3)その他
・「「ワークショップ時代」と文化芸術におけるファシリテーション」tobotobo、2023年3月31日、https://tobotobo.org/2023/03/31/202303_takashi_k/
・「大阪万博のデザイン史 1970/2025」『科学研究費補助金基盤研究(B)18H00639「万国博覧会にみる『日本』——芸術・メディアの視点による国際比較」シンポジウム記録集」東京工科大学、2023年3月、pp.26-33

 とにかく健康第一で過ごした一年。老眼が確実となり軽く凹む。実は今年は本当にいろいろなことがあり、この社会には沢山の沈黙があることを知った。いつか話せる時が来たら、聞いてくださいね。

 来年は『デザイン史の名著(仮)』の執筆を進めつつ、これまでの論文をまとめた本を出版する予定。担当授業も増えるので、今後の方針をじっくり考えたい。

 本年もお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。