CGじゃないってば!

 例えば美容室。「ご職業は?」にとりあえず「デザインっす」と返すことは少なくない。その途端に「あ〜、CGですか」とお返事を頂けるのだが、本当のところは「CGじゃないってば!」なのである。デザインが想像させるものがCGであること。きっとそうなったのはここ10年位のことだろう。50年後はどうなのかな。
 カンヌで「イノセンス」は選から漏れた。「膨大な引用を含むセリフを字幕で読むのに忙しく、映像を楽しめな」かったからだそうだ。国際コンペで映画を観るということ。それが何を意味するのかを教えてくれるようなコメントだ。「イノセンス」がどうのこうのではない。「国際コンペ」の位置性だって問われてもいいと思う。
 専門性は(1)コミュニティ=組織生産(2)コンペティション=作品・作家生産(3)パブリッシュ=言説生産の3つのレベルが関係しながら創り出されると考えるが、アニメやゲームなどの「オタク立国」も例外ではないだろう。CGアニメ作家は「新産業の柱」になるか。労働条件が厳しい彼らを「デジタルときわ荘」でサポートするのは力強いけれど、表現活動の支援を「経済的な成功」に回収するだけじゃ、それなりのクリエーターしか育たないと思うな。
 
※参考
・CGアニメ作家集め現代の「トキワ荘」計画 大阪
http://www.asahi.com/business/update/0525/044.html
デジタルときわ荘
http://d-tokiwa.jp/