ジャック・ブレーブス著、岡部英雄/本郷均訳『合理性とシニシズム 現代理性批判の迷宮』、法政大学出版会、2004年

 「シニシズム」とあるとついつい手にとってしまう。その程度の理解(?)でしかないのだが、僕的には「シニシズム」がもつ「希望のなさ、目的のなさ、諦念、無関心」が生み出す「何でもかまわない」的「相対主義」を、メディアと人間の関わり方で考えてみたい。ポストモダンが示す「曖昧さ」は、「合理的なもの」への批判の際に「もう一つの〜」とか「他の〜」といった形態で現れるが、「その内実はいつになっても明示されない永久革命のごとき運動」ともいえる。そうした批判を展開するブレーブスは、哲学を「予言」ではなく「風刺」として捉えていく。そのためには対象の実像を見極める力として「合理性の認識」が必要なのだそうです。手探りの状態ですが、あとで読みたくなるかもと思ったので。