明治学院大学が佐藤可士和氏と組んでブランド強化

 明治学院大学が、ブランド強化を進めている。アートディレクターに佐藤可士和氏を起用して、ロゴから封筒類まで、デザインの力を活用して存在感のアップに取り組み始めた。

 2004年4月に就任した大塩武・学長は「明治学院大学と他の大学との違いが学生や職員の中で明確になっていないと感じた」と言う。そこで、まず卒業生も含めた大学の関係者が誇りを持てるようなアイデンティティーの明確化に着手した。明治学院大学の起源は、1863年にさかのぼる。当時、米国から宣教師として来日したヘボンが開設した「ヘボン塾」がそれである。

 大塩学長は、ヘボンの生涯を貫く信念は、聖書の言葉にもある「Do for Others(他者への貢献)」であったとして、これを2004年4月から明治学院大学の教育理念として位置付けた。さらに再定義した教育理念を視覚的に表現する新たなロゴマークが必要と判断。同大学の卒業生で、国際学部の非常勤講師を務めた経験もあるコラムニストの天野祐吉氏の紹介を受けて、佐藤氏に一連のデザインを依頼した。

 佐藤氏は、以前から教育の現場でデザインが活用されていないと感じていたと言う。また「受験生にこびる必要はないが、大学がどういう教育理念を持ち、どういう学校運営のビジョンを持っているかを学生や社会にアピールしていくことは大学の当然の義務であり、それが大学のブランディングにつながる」(佐藤氏)という考えもあった。

 そこで佐藤氏は、今回のロゴのデザインを明治学院大学のブランド強化の一環として考えたいと提案した。大学側も佐藤氏の提案を受け入れ、「明治学院大学ブランディングプロジェクト」がスタートした。…… (http://nd.nikkeibp.co.jp/nd/news/contents/938.shtml

 前にも述べたが「状況をデザインする」という立場の佐藤可士和さんにとっては、不思議な話ではないと思う。それに「教育の現場でデザイン」には「……。」としか反応できないものは少なくない。しかし、こうした問題意識を「ブランド強化」として解消していくのにはどこか違和感を覚える。広告やデザインの研究を、「ブランド」の研究として捉える方もいますが、どうも僕にはそのような接続はできないのです…。