負ける日本の「ナショナリズム」

 カルチュラル・タイフーンで発表することもあり、ここのところは「日本文化論」関連を集中的に読んでいます。ワールドカップなどでも思うのですが、日本のナショナリズムは「捻れて」いることが問題なのではなくて、それだからこそ「活き活き」しているように思います。「勝ち組」のナショナリズムというよりは、「負け組」だからこそのナショナリズムという感じでしょうか。それなりに熱くはなるのだが、常に裏切られることも知っている(と思いこみ、またそれを期待してしまう)。だから、日本のナショナリズムへのベタな没入は冷たい笑いの対象になってしまうのでしょう…。
 
 以下は、7月2日(日)の詳細と全体の告知。東京五輪などのポスター制作で知られる亀倉雄策を取り上げます。彼がグラフィック・デザイナーとして発言すればするほど、それがいつの間にか「日本人」としての言明に横滑りしていったことを指摘し、これを可能にした認識と論理について報告する予定です。
 

日時:7月2日(日)14時45分〜16時45分
会場:下北沢成徳高等学校 会議室
「日本」の文化と「空間」への問い
司会者: 岩崎稔東京外国語大学
・ TkT DESPINA SFAKIOTAKI (OULU UNIVERSITY)
「Analysis of Movement in Sequential Space: the Traditional Japanese Tea and Stroll garden; the contemporary Japanese city」
・加島卓(東京大学大学院学際情報学府
「「日本文化」としての亀倉雄策:「反−模倣」としての「個性」」
・新倉貴仁(東京大学大学院学際情報学府
「言説としてのナショナリズム ―「想像の共同体」、その可能性の中心―」 

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《転送歓迎》

【カルチュラル・タイフーン2006 in 下北沢(テーマ:「都市」)へのお誘い】
http://www.cultural-typhoon.org/

 カルチュラル・タイフーンは,カルチュラル・スタディーズ周辺の領域に関心を持つひとびとのトランスナショナルなネットワークです。カルチュラル・タイフーンでは例年,研究者,学生,そして多様な表現活動や社会的諸実践を行なっているひとびとの出会いと対話を求めて,シンポジウムを開催しています。

 今年のカルチュラル・タイフーンは,大学キャンパスの外へと開催の場を移動し,東京は下北沢の市街においてシンポジウムを催します。下北沢は,その入りくんだ街路が多様な文化的諸実践と景観を育んでいる街として知られています。しかし一方で,現在,大規模な道路建設計画が始動し,街の景観が塗り替えられようとしており,これに対するユニークな反対運動もまた展開されてもいます。この夏のカルチュラル・タイフーンは,このような文化的・政治的せめぎあいの場所としての下北沢の街に上陸し,都市における新たな文化政治学を編み出していくための経験とするべく用意が進められています。

 今回のカルチュラル・タイフーンでは,さまざまな研究発表や討論の他,市街に分散するそれぞれの会場において,書籍の展示・販売,アーティストや表現者たちによる作品展示やパフォーマンス,映画上映や映像イベント,下北沢の街をディープに知るための街歩きツアーなども計画されています。また本年は、関連企画として市民参加型の都市計画ワークショップであるアーバン・タイフーン http://www.urbantyphoon.com と、都市をめぐるドキュメンタリーフィルムを集めたシネマ・タイフーン http://www.cultural-typhoon.org/cinema/ も同時期に開催されます。

 みなさんと共に,3つの「タイフーン」のただなかで,都市と文化と政治について思考し討議できることを願っています。ぜひお誘いあわせのうえ下北沢の街にいらっしゃってください。

■日時 2006年6月30日(金),7月1日(土),2日(日)
■場所 北沢区民会館北沢タウンホール」(6月30 日(金))
    下北沢成徳高等学校 (7月1日(土),2日(日))
    http://www.cultural-typhoon.org/map.jpg
■プログラム
    http://www.cultural-typhoon.org/Program_J.pdf
    http://www.cultural-typhoon.org/ProgramJ_details.pdf
    http://www.cultural-typhoon.org/performance-jp.pdf
    ・パネル・セッションのプログラムには、一部未確定の部分があります
    (追って更新をいたします)
■参加費
    3日間 ¥2,000 ( 大学等研究機関の有職者 ¥5,000)
    * 事前申し込み不要。

■お問い合わせ先
    カルチュラル・タイフーン2006実行委員会事務局
    secretariat06@cultural-typhoon.org

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