書籍の<風景化>

oxyfunk2004-02-28

 ちょうどいい時期かもしれない。書いている「私」を批判的に見つめること。書くことの困難性と真摯に向き合った「論文作法」。こうしたものはいくつか読んできたが、清水幾太郎『論文の書き方』(岩波書店、1959年)はメディア論としても読める良書であった。
 正直なところ、『ユリイカ』(2004年3月号)が「論文作法」特集をするとは思わなかった。昨年には「ブックデザイン批判」もしていることだし、これからの動向が気になる。だって副題に「お役に立ちます」なんて書いてあるし。迷走でないといいんだけれど。
 にしても、今回の表紙はどうみてもかつての「別冊宝島」。そのあまりにも直球的で実用書的なイメージは、「ブックデザイン批判」で自らが取り上げていた問題にも関わらず、自ら書籍の<風景化>を拒んでいるようにもみえる。
 とりあえず今日は「論文作法」を、ちかいうちに「ブックデザイン批判」と思ったけれども、先に書き上げなくはいけないものがでたのでまた今度。