朝日新聞「テークオフ」にて。

「テークオフ」(朝日新聞、2006年8月24日夕刊)にて紹介して頂くことになりました。『graphic/design』(左右社)での連載「デザイナーと素養」に関わる問題意識やこれまでの経緯などです。メディア・リテラシーのワークショップで、送り手と受け手の立場を入れ換える取材ゲームを実践したりもしましたが、実際に書かれる側に立つと記事の言葉一つ一つが気になるもの。1時間強の話が数百字になり、また自ら「弟子」を語るようなこともありませんが、そこは「新聞用」ということらしく、どうかどうかご理解ご笑読くださいませ。

 なお連載初回(「ネタ空間としての「自然」)の概要は以下の通りで、本文では図版を多く引用しながらじっくり書いております。

「……はじめに私たちは、デザイナーにとっての「素養」を探求するとした。そして、その手掛かりに「ネタ空間」という言葉を用意し、それをデザイナーにとっての「知」が掘り起こされる場とした。私たちにとって重要なのは、デザイナーの「素養」が育まれているだろう「ネタ空間」が、制度化された「知」から成る世界のではなく、日常世界において積極的に読み込まれる「知」から構成されているということである。 そこで私たちは、1900年前後のデザイナーにおける「図案」という言葉に注目し、それがいかなる日常世界の切り取り方であるのかを取り上げた。そこで明らかになったのは「自然」が「図案」にとってのネタ空間であったことであり、「自然」がデザイナーにとって日常世界を観察・異化させていく能力を養う場として機能していたということである。……」(『graphic/design』(no.1)、左右社、2006年、p.58)。

 「素養」と「教養」の区別については、先日(id:oxyfunk:20060704)に書いた通り。次回は「「刺戟」と「単化」の大戦ポスター」して、1920年前後にポスターという新しいメディアに覚醒したデザイナーたちが「戦争」をネタとして読み込んでいったことを書いております(2006年9月25日刊行予定)。すっかり「営業」となってしまいましたが、よろしくどうかお願いします。

季刊graphic/design[グラフィックデザイン]1号

季刊graphic/design[グラフィックデザイン]1号