“映画の眼”と都市

oxyfunk2005-06-08

 押井守監修『東京スキャナー』を観た。“写真の眼”について言及した論文を書いていたところなので、これは押井さんほかの“映画の眼”によるものとして楽しめた。ヘリの音が一切消去された上で、載せられている音もまた“映画的”。この手の映像を観ると、「眩暈がする」とか「まぶしい」「うるさい」といったお約束的な反応がある。それはそうかもしれないが、技術的な議論に回収しないところで、なぜそのように思ってしまうのかを考えていくきっかけにもなるはずだ。私たちがなんとなく日常をやり過ごす時、そこで何を観て、何を観ないのか、何を聴いて、何を聴かないのか、それらが社会的に構成されていることを知るための格好の教材といっていいだろう。