「TVKっ子」の帰結。

oxyfunk2004-12-27

 気分が乗らない時はミュージッククリップを観る。ここ最近は木村カエラの「happiness!」。なんというか、青春汁溢れるミュージッククリップの雰囲気にどこか惹かれる。魚眼レンズを使ったバス内の撮影による遠近感覚や、みんなが立ち踊っているところは「絵的に」いい。いわゆる「ドライブ向きだね」みたいな音には、こうした空間感覚と元気さがお似合いなのだろう。
 思えば、こうした形式主義的な楽しみ方は高校生の時からである。テレビドラマを殆ど観なかった僕は、「MTVっ子」ではなく「TVKっ子」だった。サウンドへの関心がいつの間にかグラフィックへの関心へとズレた時期だった。歌詞(内容)を書くよりもリズム(形式)を組むほうが好きだったので、それがヴィジュアル(形式)に移行しても歌詞(内容)へのこだわりはほとんどなかった。内容に還元されない形式における楽しみ。形式もまた内容化してしまう点もあるのだが、いわゆる歌詞に回収されないところで、僕はミュージッククリップを楽しくみることは多い。だから○○は「J-pop」だからとか「ロック」じゃないからとかいう、歌詞還元的なカテゴリーはどうでもよくなってしまう。
 ペースはゆっくりですが、進めています…。しばらくは乱読を避けるので最近購入したものを以下に。
 

 山名文夫永井一正の本は、いわゆる作品ではなく、テクストを中心に編集されている点において貴重。クリエイターとの距離を言葉によっても測っていくこと強調する立場としては、さらなる展開を強く望みます。