「TVKっ子」の帰結。
気分が乗らない時はミュージッククリップを観る。ここ最近は木村カエラの「happiness!」。なんというか、青春汁溢れるミュージッククリップの雰囲気にどこか惹かれる。魚眼レンズを使ったバス内の撮影による遠近感覚や、みんなが立ち踊っているところは「絵的に」いい。いわゆる「ドライブ向きだね」みたいな音には、こうした空間感覚と元気さがお似合いなのだろう。
思えば、こうした形式主義的な楽しみ方は高校生の時からである。テレビドラマを殆ど観なかった僕は、「MTVっ子」ではなく「TVKっ子」だった。サウンドへの関心がいつの間にかグラフィックへの関心へとズレた時期だった。歌詞(内容)を書くよりもリズム(形式)を組むほうが好きだったので、それがヴィジュアル(形式)に移行しても歌詞(内容)へのこだわりはほとんどなかった。内容に還元されない形式における楽しみ。形式もまた内容化してしまう点もあるのだが、いわゆる歌詞に回収されないところで、僕はミュージッククリップを楽しくみることは多い。だから○○は「J-pop」だからとか「ロック」じゃないからとかいう、歌詞還元的なカテゴリーはどうでもよくなってしまう。
ペースはゆっくりですが、進めています…。しばらくは乱読を避けるので最近購入したものを以下に。
- NHK放送文化研究所編『現代日本人の意識構造[第六版]』NHKブックス、2004年
- 原武史・保阪正康『対論 昭和天皇』文春新書、2004年
- 古矢旬『アメリカ 過去と現在の間』岩波新書、2004年
- 宮島喬『ヨーロッパ市民の誕生:開かれたシティズンシップへ』岩波新書、2004年
- 宮台真司・仲正昌樹『日常・共同体・アイロニー:自己決定の本質と限界』双風舎、2004年
- 前川和也編著『ステイタスと職業:社会はどのように編成されていたか』ミネルヴァ書房、1997年
- 『山名文夫』、『永井一正』共に、トランスアート、2004年
山名文夫と永井一正の本は、いわゆる作品ではなく、テクストを中心に編集されている点において貴重。クリエイターとの距離を言葉によっても測っていくこと強調する立場としては、さらなる展開を強く望みます。