Raw material

 先日に路上で偶然再会した友人は、現在の僕の問題関心を導いてくれた友人のひとりである(感謝)。その彼、九龍君が「Raw material」というレコードレーベルを主宰しているので紹介しておこう。ブレイクブーツやダウンビートは、大手レコード屋の隅っこにあるいわゆる「テクノコーナー」の最後の辺りに置かれやすいジャンルであるかもしれない。しかし、そうした商業的配置と音の面白さは必ずしも比例はしない。やさしくて太い音はそこで「静かに、しかし確かに」呼吸をしているのである。「Raw material」のコンピレーションアルバムも例外ではない。どのトラックは○○である、とレビューするのは得意ではないので、聴き方のお勧めをしておこう。クラブ・ミュージックはクラブだけで聴くものではない。部屋に一人でいてなんとなく時間を過ごしている時が丁度いい。いつもよりボリュームをすこしだけ大きくしてみよう。通勤電車のなかやラジオでは決して聞こえてこない、低くて太くてやさしい音が心をすくい上げてくれるから。

※参考
Raw material(試聴有)
http://www.rawmaterial-label.com/jpn/releases/rmcd-001.shtml