三越への雑感

oxyfunk2004-06-13

 現在僕たちが想起する百貨店は、かの「デパートメントストア宣言」(明治37年12月)に始まるとされる。三井呉服店から三越呉服店となった際に日比翁助が「販売の商品は今後其の種類を増加し」、「米国に行わるるデパートメントストーアの一部を実現致すべく」と方針を明文化したものだ。この「デパ宣」はあの旅順開城の日(明治38年1月2日)に『時事新報』他の新聞紙面に大きく掲載されている。
 それから100年。何となくNHKその時歴史が動いた』の「日露戦争100年:二〇三高地の悲劇はなぜ起きたのか〜新史料が明かす激戦の真相〜」を観た日の前後のこと。帰宅途中の電車内で目に入ったバーゲン広告の「さようなら、百貨店!」にドキッ。新宿三越の改装後は“全館ザッカ"がコンセプトなので、「百貨→雑貨」なのかもしれないが、このコピーは先の「デパ宣」に対応させたものとも読めなくもない。
 この“折り込み広告”っぽさは「さようなら、百貨店!」という象徴的なメッセージを歴史的に記憶させることができるのだろうかと、余計な心配をしてみたり。
※参考
・デパートメントストア宣言の新聞広告
http://www.mitsukoshi.co.jp/museum/history/ad1.html
三越新宿店の新業態転換について
http://www.mitsukoshi.co.jp/corp_info/news/040422-3.html