2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧

酒井隆史『暴力の哲学』河出書房新社、2004年

「暴力を拒絶することは、暴力を批判することには必ずしもならない、むしろ暴力の抽象的・一般的な拒絶は、暴力を呼び込んでしまう仕組みがある」という暴力の循環に対して「拒絶」ではない「反暴力」を構想するもの。政治を目的としない暴力と政治を超越し…

三越への雑感

現在僕たちが想起する百貨店は、かの「デパートメントストア宣言」(明治37年12月)に始まるとされる。三井呉服店から三越呉服店となった際に日比翁助が「販売の商品は今後其の種類を増加し」、「米国に行わるるデパートメントストーアの一部を実現致すべく…

“あの瞬間”があるから。

聞こえる人には聞こえてる。音楽耳というものがあるのなら、きっとそんな感じだろう。大衆音楽はその歌詞で記憶される場合が少なくないけれど、「あ、この曲いいね」と前面に出てくるのは歌詞でも、メロディでも、ソロでも、リズムでもいい。映画『永遠のモ…

記録することの難しさ

「私は人間が嫌いだ。」そういう人がビデオジャーナリストに向いていると野中章弘(アジアプレス・インターナショナル)さんから学んだ。「私は人間が好きだから」ということで見えなくなってしまうことは少なくない。ビデオジャーナリストは「なんで人間は…

遠くを見ながら君の話を聞きたい場所

都心の方には田舎者と呼ばれ、上京した方には東京者と呼ばれる僕のような<郊外者>には、回帰できる原風景はビル群や森にはない。そびえ立つ鉄塔線とか、ゴルフ場とか、団地とかそんなものである。そんな僕にとって、ダイエーは“世界”だった。 買い物が好き…